Anovaなどで真空調理を行う上で、絶対に知っておいた方がいいと思うテクニックをまとめました。

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water displacement method(WDM)

適切な和訳が思い付かないため、英語のまま紹介します。WDMは食材を入れたジップロックなどの袋から空気を追い出すテクニックです。
1.食材を入れた袋にオイルや調味液など流動性の高いものを加え、食材にドレスさせる。
2.口を閉じない状態で、口を残して袋を水に沈める。
3.袋の中に空気が残るようなら手や箸でつっついて追い出す。
4.空気を締め出せたら、そのまま袋の口を閉じる

食材表面の凸凹と袋の間に隠れる空気をオイルが上手に追い出してくれます。
水に沈める前に袋の口を閉じてしまうと、内部に空気が残って加熱が不十分になり、食中毒の危険が増します。絶対にWDMを使いましょう。

表面殺菌

大きな塊肉を低温調理する際は、調理開始前に表面殺菌をすると安全性が高まります。低温調理によって、塊肉全体をバクテリアが死滅し始める温度まで上昇させるのには時間がかかり、その間バクテリアが繁殖しやすい温度帯に留まることになります。そのために、汚染程度の1番大きい表面だけ先に殺菌してしまおうという訳です。これには、低温調理では殺菌し切れない(乳酸菌などの)腐敗菌を殺菌する効用もあります。
殺菌方法としては、袋に入れる前に表面をsearするか、袋に入れた状態で100℃の湯煎を数分行う方法があるようです。
一部の腐敗菌までの殺菌したい場合は、これらの方法が必要ですが、殺菌対象を食中毒菌に絞るなら、表面が75度や85度に達するまでの湯煎で十分かと思います。肉がパサついてしまうのでは?という声が聞こえてきそうですが、肉全体が十分に冷えている(たとえば4℃)状態なら1分高温にさらしても熱の影響を受けるのは表面の厚さ数ミリの範囲です。塊肉全体から見れば微々たる量でしょう。後でsearするなら尚の事気にする必要はありません。

アク抜き

塊肉の長時間(たとえば、18時間)の真空調理では、ドリップの生臭い香りが多少なり肉についてしまいます。それを覆い隠すためにsearしてメイラード反応の力を借りる訳ですが、そもそも生臭さそのものも軽減したいものです。そこで、塊肉を55℃などの低温のお湯に10分ほどさらすと、低温調理→sear後の香りがかなり改善されます。ただし、お湯にさらす時間が長くなると肉の味が抜けていくので、肉の臭みに応じて時間は調節してください。(私は、豚肩肉でローストポークを作る際は、20分ほどお湯に晒してからanovaに渡します。)
前項の表面殺菌に代えて、75(/85)℃のお湯に肉を直接投入→差し水をして55℃まで水温を下げ、そのままアク抜き、としてもいいと思います。

保存前の急冷

真空調理後にすぐに食べない場合は、そのまま保温を続けるか、急冷するかの二択になります。後者の場合、食材の表面温度を少なくとも10℃にまで下げることを目標とします(欲を言えば4℃)。
そのためには、0℃に近い氷水を大量に(私の場合は食材の重さの少なくとも7倍)作って、その中に袋ごと沈めて急冷します。氷は少なくとも水と同量入れましょう。氷水と食材表面の温度差が大きければ大きいほど、冷却は素早く進み、逆に差が小さければゆっくりとしか進みません。氷水の温度を0℃付近にすることで、冷却の速度をあげます。逆に、4℃の水温で表面温度を4℃まで下げるのにはかなり時間がかかります。氷水に食塩を混ぜ、水の凝固点を下げることで急冷をより急速に行うよう提案するシェフも居ます。

sear前の表面急冷

低温調理後、saerする場合は、前項のように表面近くの温度を下げておきましょう。5℃くらいの氷水に10分ほど沈めておくのがおすすめです。表面だけが冷え、中心付近は温かい状態になります。この状態で各面1分ずつsearすると、フライパンから伝わる熱は表面付近の冷たい肉を温めるのに費やされるため、内部への影響はほぼシャットアウトされ、searによる内部の水分喪失を最小限に抑えることができます。結果的に、表面付近だけメイラード反応による焦げ色が付き水分が抜けますが、表面から2~3ミリ下は綺麗なピンク(低温調理の温度によっては赤)に仕上がります。肉内部はもともと冷やされておらず、温かい状態なので、sear後の肉は全体が温かい状態になります。

ブライニング

追記予定。

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参考文献

Cooking for Geeks: Real Science, Great Cooks, and Good Food. 2nd edition. Jeff Potter. O’Reilly Media, 2015.


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