食材の中心温度が水槽の温度と等しくなるまでにはかなりのラグがあります。Anovaで調理中の食材の中心温度が、”いつ”、”何度か”は、実際に測ってみなければわかりません。
というわけで、実際に測ってみました。
以下の記事の続編です。
加熱温度と食材の中心温度は全く別物であるため、Anovaで調理中の食材の中心温度が、"いつ"、... 【Anova】鶏胸肉で作る鶏ハムの中心温度モニタリング - Theory is the best sauce. |
食材の中心温度が水槽の温度と等しくなるまでにはかなりのラグがあります。Anovaで調理中の食材の中心温... 【Anova】鶏胸肉で作る鶏ハムの中心温度モニタリング2 - Theory is the best sauce. |
食材の中心温度が水槽の温度と等しくなるまでにはかなりのラグがあります。Anovaで調理中の食材の中心温... 【Anova】鶏胸肉で作る鶏ハムの中心温度モニタリング3 - Theory is the best sauce. |
今回は408g、厚み4cmの鶏胸肉を使います。
実験方法などは今までと同様なので、結果を中心に書いていきます。
鶏胸肉:408g、厚み4cm
Anovaで63℃のお湯を張り、ポリ袋に入れた鶏胸肉を1時間加熱する(前回と同様)。
使用した袋は0.025m厚の高密度ポリエチレン製のもの(ワタナベ工業OP-25)。
ポリ袋内には5gのオリーブオイルも加え、鶏胸肉にドレスさせておく。
肉の中心に温度計を差し、その値をモニタリング、1分・1℃単位でログをとる。
事前にAnovaで用意した63℃の恒温水槽にポリ袋を沈め、WDMによってポリ袋内の空気を抜き、計測を開始する。(中心温度が63度に達するまでログを取る)
ポリ袋を沈めた際に水温が約3分間、最大で0.3℃低下したが、この温度変化は微小と見なして無視する。
(下線部を除き全て前回と同じです。)
中心温度の推移は次のグラフのようになります。
加熱開始
38分後に50℃
40分後に51℃
41分後に52℃
43分後に53℃
45分後に54℃
47分後に55℃
50分後に56℃
53分後に57℃
56分後に58℃
60分後に59℃
64分後に60℃
70分後に61℃
80分後に62℃
92分後に63℃
に到達。
当然ですが、中心温度の上昇ペースは350gのとき(鶏ハムの中心温度モニタリング)よりは遅くなりました。350gの鶏胸肉は、60分時点でサルモネラについては約2Dレベルの殺菌でしたので、今回の肉の殺菌レベルはそれ以下ということになります。
それでは、5D, 7D, 12D の殺菌レベルを達成するためにはどのくらいの時間が必要なのでしょうか?
次回、それについて計算してみます。
408gの鶏胸肉で、63℃×1時間湯煎する低温調理のレシピの安全性を評価します。温度のデータはこちらのもの... 【Anova】鶏ハムのサルモネラ殺菌レベル/食中毒リスク算出4 - Theory is the best sauce. |
Nick が真空調理で使っている道具たちを一部紹介しておきます。
個人的にはこれ一択。そのうち記事で書きますが、Wi-Fi が圧倒的に便利。外出先にいながら火入れのコントロールが可能。加熱を複数温度に分けて行うなどの場合、外出先から出来ないと不便過ぎる。
最適な加熱条件が分かっているなら、帰宅が遅れた場合に出先から加熱温度を下げて火入れの進行を遅らせる技も使える。
あとは、温度コントロールが命の商品なので、実績あるAnovaが一番安心できるという側面も。安物買って気づかないうちに温度センサー壊れてた→食中毒…とかシャレにならない…。
ワタナベ工業ポリ袋がいいと思います。ジップロックと比較して1枚あたり50%以上のコストダウンが図れます。野菜500gだって余裕で入る。
ただ、ワタナベ工業ポリ袋にはジッパーがないので、密閉時にはクリップイットを。ポリ袋をクリップイットで留めるだけで簡単に密閉できます。袋の真ん中らへんなど、好きな位置で止められるので便利です。
また、クリップイットは-20~140度の温度耐性があり、湯煎にかけたり冷凍庫に放り込んだりしても2年以上1つも壊れていません。かなり丈夫です。
Nick はワタナベ工業ポリ袋 & クリップイットのコンビに非常に広い応用路を見出しており、真空調理 / 通常調理問わず、使わない日はまずありません。(追って記事書きます。)迷ったら買うべし。後悔させない自信ある。
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鶏胸肉で作る鶏ハムの中心温度モニタリング 1~5
私の知りたかった情報です。
本当にありがとうございます。