食材の中心温度が水槽の温度と等しくなるまでにはかなりのラグがあります。Anovaで調理中の食材の中心温度が、”いつ”、”何度か”は、実際に測ってみなければわかりません。
というわけで、実際に測ってみました。

以下の記事の続編です。




このシリーズ最後の実験です。
今回で200g~400g(50g刻み)の鶏胸肉の加熱データを全部揃えることができました。
最後である今回は198gの鶏胸肉を使います。
実験方法などは今までと同様なので、結果を中心に書いていきます。

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実験方法

試料

鶏胸肉:198g、厚み2.5cm
厚みは均一ではなく、2箇所盛り上がっている箇所があり、その最大厚が2.5cm でした。

テストレシピ

Anovaで63℃のお湯を張り、ポリ袋に入れた鶏胸肉を1時間加熱する(前回と同様)。

詳細

使用した袋は0.025m厚の高密度ポリエチレン製のもの(ワタナベ工業OP-25)。
ポリ袋内には5gのオリーブオイルも加え、鶏胸肉にドレスさせておく。
肉の中心に温度計を差し、その値をモニタリング、1分・1℃単位でログをとる。
事前にAnovaで用意した63℃の恒温水槽にポリ袋を沈め、WDMによってポリ袋内の空気を抜き、計測を開始する。
ポリ袋を沈めた際に水温が約3分間、最大で0.3℃低下したが、この温度変化は微小と見なして無視する。
(今までと同じです。)

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結果

中心温度の推移は次のグラフのようになります。

一部の値を抜粋すると
加熱開始
19分後に50℃
20分後に51℃
21分後に52℃
22分後に53℃
23分後に54℃
24分後に55℃
25分後に56℃
27分後に57℃
29分後に58℃
31分後に59℃
34分後に60℃
37分後に61℃
42分後に62℃
50分後に63℃
に到達。

比べてみると、250gの鶏胸肉の加熱データとほぼ同じです。250gの肉は厚みがこちらより薄かった(2cm弱)ためでしょうか。今回の鶏胸肉は流線型をしておらず、少し形が変わっていたのでその影響かもしれません。1)それか、あまり考えたくありませんが温度計の針の位置が大幅にずれていたとか??

中心温度の推移が250gのときと同じということは、殺菌レベルもそれとほぼ同じということです。計算の手間が省けて助かりますが、サイズダウンさせたのに、加熱に必要な時間が縮小しなかったのは、少し意外というか残念です。もう少し実験を重ねてみて、本当に時間が縮小しないのか確かめる必要がありそうです。2)とはいってもあまり興味はありません。このサイズの鶏胸肉を使うことは稀なので。

次回は、今回の加熱データをもとに、例のごとく殺菌レベルを算出します。その理論値の計算をもって、ひとまずこのシリーズを終わりにしたいと思います。


   [ + ]

1.それか、あまり考えたくありませんが温度計の針の位置が大幅にずれていたとか??
2.とはいってもあまり興味はありません。このサイズの鶏胸肉を使うことは稀なので。
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