ブタやニワトリに寄生するマンソン裂頭条虫について、食中毒予防の観点から情報をまとめました。

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概要

マンソン裂頭条虫は、典型的にはイヌやネコに寄生する条虫であるが、中間宿主または待機宿主として爬虫類、両生類、鳥類、哺乳類など多くの動物に寄生し得る。ヒトもその例外ではなく、幼虫を摂取することで寄生され、幼虫移行症の原因となる。マンソン裂頭条虫による症例はアジアに多い。日本全国にも分布し、年間10例以下であるが感染報告がある。

寄生場所

成虫はイヌ、ネコ、キツネ、タヌキなどの小腸に寄生する。
幼虫の第一中間宿主はケンミジンコ類、第二中間宿主はそれを摂取したカエル、ヘビなどの両生類・爬虫類・鳥類(ニワトリを含む)・哺乳類(ブタ・イノシシなど)など多くの種。これらの動物は待機宿主1)幼虫がお目当ての動物に経口摂取されるまでの間寄生する仮の宿にもなり得る。

感染経路

ヒトへの感染は、第一中間宿主のケンミジンコを飲水を介して摂取するか、第一中間宿主(または待機宿主)となっている動物の肉を加熱不十分なままで経口摂取することで起きる。

症状

摂取した幼虫はまれに成虫へ生長するが、多くの場合は幼虫のままヒトの皮下組織へ寄生し、幼虫移行症を起こす。幼虫移行症については、ブタ回虫の記事を参照。

マンソン裂頭条虫による幼虫移行症に対する有効な薬剤は現時点では存在せず、外科的に摘出する以外に治療法は存在しない。

予防方法

  • 豚や鶏、カエル、ヘビの生食をしないこと
  • マンソン裂頭条虫の加熱による死滅条件は不明だが、他の条虫類と同様に56度の加熱で瞬時に死滅するのでは?
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参考文献

[1]わが国における条虫症の発生状況
[2]人畜強梅雨寄生虫症
[3]マンソン裂頭条虫, 食品安全委員会

 


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1.幼虫がお目当ての動物に経口摂取されるまでの間寄生する仮の宿
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